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2007年7月

2007年7月27日 (金)

「逃亡」作曲やさんのモノローグ5

年に2度、逃亡事件をおこす。
誰にも行き先を告げず、姿を1週間ほど消すのだ。

なぜか「毎日必死!!」なる日々を送ることが多くなり
自分を見失いそうになるのを防ぐため…

なぁんて、まじめな理由ではない。

作曲をしに行くのだ。
文明が発達した今、世の中と連絡を取らずにいられるなんて事は不可能に近い。
日本にいれば、ほぼ100パーセント携帯電話にてつかまるし、
ありとあらゆるところへ、飛行機にてほぼ24時間以内に行けてしまう。

昔など、モーツァルトは馬車で移動しつつ旅の先々で本番の曲を書いていたというが、
そんなこと、今や不可能。
日本を出て数時間後、ダイレクトにその国についてしまっては
あれま、今日はもう本番!?なんてこともありうる。

オソロシや…

というわけで、電波の届かない、しかも田舎育ちの人間が
本来の動物(!?)にもどる事のできるところに行くことになる。

いつもは、短い移動時間に集中して書く事がほとんどなのだが
やはり、それだけでは音楽が雑になってしまう。
なので、できるだけ頭をほぐして本来の自分がそのまま音になるように心がける。

今回は、数曲の委嘱作品の作曲に、フランスのバロックの楽譜の研究(←暗号がウニョウニョで、相当勉強しないと本番で弾けない。でもずっと勉強したかった分野なので楽しみ。)

そしてそして、9月1日土曜日の江戸川区小岩でのPiacellioの本番のための編曲!
今回はチャイコフスキーのくるみ割り人形からピックアップを考えている。

しかし・・・・委嘱作品がくせものだ。せまってくる!!!!
作曲やさんなるもの、なぜかぎりぎりにならないと書かない。いや、書けない。
冒頭で「逃亡事件」と申し上げたのはなぜか?

それは、締切りをせまる電話から「逃れる」ためなのでありました(汗;;)

というわけで、電話やメールが通じないときは
逃亡中ということでお許しくださいませ!

悪いことはしておりません!本当に必死なのでありますでありますありゃありゃ。

ふぅっっ。



つづく(かな…。心配だぁ)

2007年7月 6日 (金)

「トルコ行進曲のタタキとは?」作曲やさんのモノローグ4

Tataki

20時間ほど東京にもどった。
移動中はいつも五線紙となかよし。どうも作曲家らしく(!?)部屋に閉じこもって書く気にはなれない。
え?ピアノを弾きながら書くもんじゃないの?とよくきかれるがそれもほとんどない。
今回の編曲も、はたまた大学の試験問題も、もし書いているところを目撃されたらえらいこっちゃ。
一番多いのはヒコーキ。新幹線はやたら揺れるので下書きしかできない。
他には…    内緒にしておこう。
一度、朝起きて10秒後に五線紙にむかっていたら生徒に幻滅された。

「先生、作曲って布団の上でするの?」

後日、もの凄い寝ぐせのまま必死に楽譜を書いている布団上のワタシを、
ひそかにフライデーした写真をメールしてくれた。
我ながら、変な人…だった。
(ちなみにこの時書いていた作品はメンバーのSさんがドイツにいた頃初演してくれました。)


なぜ、こんな事を突然書いているかというと、今日とある人に
「24時間いろんなことをして楽しんでるようにみえるけど、どうやって頭をきりかえてるの?」
ときかれてハテ?と、なったからだ。
そんなこと、考えたこともなかった・・・


例えば、先日書いた「トルコ行進曲」。
これは、メンバーのIさんのお宅へ行く地下鉄日比谷線でまず半分書いた。
夜の21時過ぎでよほどおなかがすいていたのか「チェロのたたき、うまそう」とスコアに書いてあった。
本人記憶なし。なんせ、真剣に書きすぎて気づいたらしらない駅にいたのだ。
あわてて電車から飛び降りて、反対方向に乗った。


どうやら、「譜読みする」「演奏する」「寝る」「食べる」などが同じ線上にあるらしい。
色々話した結果、「あなたは切り替えてるんじゃなくて、同時進行してるのね!動物みたい。」と
片付けられてしまった…!!


でも確かに、常に楽しいという思いが心のどこかに住んでいる。
それもこれも、音楽というものへの憧れと、同じ思いをもった仲間たち、
それに向かっていくだけの丈夫な体に育ててくれた両親のおかげだと
いつもいつも感謝している。

明日から長野。
いつも温かな場をつくってくださる皆さんにお会いできる事がなにより楽しみだ。
そして、また新たな出会いが…


そして、オイシイお酒が!!?



つづく

2007年7月 3日 (火)

「カルメンはいかが?」作曲やさんのモノローグ3

今週は、学生たちに向かい合う時間以外は静岡にいる。
静岡といえば、おいしい日本酒がたくさん生まれる所…。

私たち音楽人は、お酒と美味しいものにはめがない人間が多い。
飲む為に仕事をしてるんじゃ?と思われる人も多数。
何を隠そう、ワタクシも最初にお酒につぶされたのは静岡の某日本酒だったので、
静岡に来る度に苦い思い出がよぎる。(←磯自慢オイシイ。)
そして、ごたぶんにもれずこのメンバーもモチロン!呑み助ぞろいだ。

思えば、カルメンの編曲製作も、おいしいものと仲良しこよしだった。
それは今年の4月某日、今回のコンサートをさせていただく
ペンションぷれじ~る203号室ロフトでの出来事・・・

下界は桜が咲き乱れるどころか早くも葉桜で若葉のまぶしい頃、
標高1500メートルのぷれじ~るは、コタツが現役で活躍。(雪で帰京できないところだった)
そのコタツに足を突っ込みながら、日本人である幸せをかみしめていた。
PiacellioメンバーのSさんと、クラリネット奏者Yさんの3人でコンサートをさせていただいたあと、
すんばらしく美味しいぷれじ~るのお夕飯をいただいて、身も心も満足した丑三つ時…

「さっ始めるか!」


とSさんの一言。
え? まだお酒飲むの?Yさん寝ちゃったよ。んん?

どぉーんと登場したのはモチロン大好きな、赤ワイン「悪魔」。…の影にパソコン。
パソコンの画面にはモチロン!


「カルメン Piacellio用 これからどう調理する!?」楽譜。(編曲がまだの楽譜)


どどぉーん。

そう。4月は、私たちPiacellioの初公演の月でした。
モノローグ1で書いたように、常に編曲とは隣り合わせ。
雪が降ろうと、眠かろうと、メンバーが集まると話し合いが勝手に始まる。

「このメロディーは、何番チェロがいいかな」
「んー、この色っぽさは○○さんにまわそう」(←聴いていただければ判ります!?)

「これさぁ、大変だから原曲は3人で弾いてるけど1人にまとめちゃっていいかなぁ?」
「1番チェロはMさんでしょ。まわしちゃえ。」(←ご本人を目の前にすると怖くて先に謝った。)

「ここまでちょいとどんな具合か、パソコンでならして聴いてみるか」
「・・・・・・・・・・・・・・・ぎゃはははは!!!!」(←二人で大爆笑。)


いやぁ、打ち込んだ音データの情報量が重すぎてパソコンが悲鳴。
電池がきれかけのカセットのように、ウニョンウニョンのカルメンが聞こえてくる。

赤ワインの悪魔のタタリかと思った。こわいィ~!
それでも、必死に耳を傾け「ここ変だよ。1オクターブ下げよう、いや休みにするか?」
なんて、何度も聴きながら編曲していたら夜が明けた。

翌朝・・・
先に寝たYさんが一言「なんか、すごい変な曲がぐるぐる頭を回ってて、頭からぬけない~」


そりゃそうだ、
何時間も繰り返し聞いたんだからきっと彼女に「悪魔カルメンの夢」が出ていたに違いない…


そんなこんなで、出来上がったカルメンはコンサートで毎回演奏している。



みなさま!
カルメンはいかが?
ただし場合によっては……「悪魔風味」!?



つづく

2007年7月 2日 (月)

「サウンド・オブ・・・」作曲やさんのモノローグ2

Saundo

昨夜、家に帰ると…

びろびろびろびろぉぉぉ

電話機から何物かがフンドシのように伸びていた。
悪い予感が!
10年ほど前、作曲科なるところに属していた学生の頃、
同級生の新作発表コンサートのある日の未明は常にこの状況。
その頃、その白いフンドシに書かれたる文字、

「Hさん(←私の名前)、遅くなってごめんなさい。やっと曲が書けました。
本日の初演、どうぞよろしくお願いいたします。」

ようするに、楽譜がFAXされた数時間後にコンサートで、さも涼しい顔をして
優雅に演奏することがワタクシに要求されていたのだ。

というわけで、昨夜はビクっと足をとめそろーりそろり、フンドシに近づくと…
メンバーのSさんからの9ページに及ぶラブレターではないか!

そう、今度のコンサートで演奏予定の曲「サウンド・オブ・ミュージック」を、
パート譜をかき集めた上で、さらに総譜(スコア)に書き直してくれたのだ。
この曲はもともと、弦楽アンサンブル版でしかも楽譜が各々の楽器ごとにばらばらにしか存在せず
指揮者が使うような総譜(スコア)がなかったので、
見やすいようにとSさんが楽譜を作ってくれたのだ!

これがないと、右に左にいろんな楽器のパート譜を同時に見ながら弾く羽目になり
さらにメンバーが何を一緒に表現しているか分かりにくいので
本当に私にとってはラブレターのようにうれしいフンドシでした。

これで、まさに「サウンド・オブ・ミュージック」で
「サウンド・オブ・Piacellio」。

こうして、メンバーのいろんな思いが音になっていくのでありました。


つづく…

2007年7月 1日 (日)

「トルコ行進曲」作曲やさんのモノローグ 1

Toruko_4

Piacellioというスンバラシいメンバーと出会って半年。
この珍しい編成は、常に編曲と背中合わせ。毎回の大行事ならぬ格闘技になっている。

今回のメイン編曲はトルコ行進曲。
この曲に出会ったのは小学生のとき。
1オクターブも届かない小さな手とともに生きてきたその頃、突然この曲は私の目の前に現れた。
最後の1ページはほとんど1オクターブの嵐。小さな手の私はそれこそ

「じっと手をみる…」

しか無かった。

今回の編曲は、この辺のいきさつが私の中に渦巻いている。
へっへっへっ、3人もチェリストがいるではないか!
とはいっても、原曲を3人に振り分けるだけ、なんてナマっちょろい事はいたしません。
弾きたくても指が届かず、必死にどうやったらモーツァルトが書いたように弾けるかを考えたあの頃を思い出し、
今回は、どうやったら必死ながら、しかも全員で楽しめるかを考えている。

ふむふむ、1番チェロはMさん、そしたらこれくらいは書かないと失礼だな!
(ごめんなさいMさん、あんな音域で走り回るなんて…)
おぉ、2番チェロはSさんか。チェロのタタキは任せたぞ。
(Sさんの楽器は確かすでにかなりなご老体だけど、許してください!)
あれ、指ぱっちんは誰しかできないんだっけ?
あぁ、3番のIさんだ。そしたらこのメロディーはここまでにして後は指を湿らせとかなきゃ!
(←実際に全員で「指パッチンオーディション」を行って決定しました)

そして、肝心のピアノは?
それは、まだマッシロ…

誰かピアノパート書いてください!!


そう、格闘技なのは決して見かけではなく、頭の中。
そして今日も、移動ヒコーキの中、隣のおじさんからの
「なんだこの子は?一人でニコニコ楽譜を書いて変なやつ…」という視線も物ともせず、
楽しく楽しく編曲作業をしているのでありました。

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Discography

  • 石田多紀乃&原田愛 Piano Duo
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コンサートのご案内

  • <石田多紀乃 原田愛 ピアノ・デュオ>

    石田多紀乃 原田愛 ピアノ・デュオ
    12月9日長野県白馬村

  • <Strings Goto & Klavier Ai>

    ~Strings Goto & Klavier Ai~
     12月1日神戸・三宮ピアジュリアン

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