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2011年12月31日 (土)

2011年の終わりに

今年最後の夕日。

Sunset

2011年。色んな大切な出会いと…
人それぞれに、たくさんのお別れが有りました。
大切な人との別れ、自分の夢との別れ…

でも、自分は生きています。
震災をきっかけに、音楽の道をたたざるをえなかった若い人に
そして自分自身に、宮沢賢治の詩を。

「告別」

おまへのバスの三連音が
どんなぐあいに鳴っていたかを
おそらくおまえはわかっていまい
その純朴さ希に充ちたたのしさは
ほとんどおれを草葉のようにふるわせた
もしもおまえがそれらの音の特性や
無数の立派な順列を
はっきり知っていつでも自由に使えるならば
おまへは辛くてそしてかがやく天の仕事もするだろう
泰西著名の楽人たちが
幼齢弦や鍵器をとって
すでに一家をなしたがように
おまへはそのころ
この国にある皮革の鼓器と
竹でつくった管とをとった
けれどもいまごろちょうどおまへの年ごろで
おまへの素質と力をもっているものは
町と村との一万人のなかになら
おそらく五人はあるだろう
それらのひとのどの人もまたどのひとも
五年のあいだにそれを大抵無くすのだ
生活のためにけづられたり
自分でそれをなくすのだ
すべての力や学や材というものは
ひとにとどまるものではない
ひとさえひとにとどまらぬ
云わなかったが、
おれは四月にはもう学校に居ないのだ
恐らく暗いけはしいみちをあるくだろう
そのあとでおまえのいまのちからがにぶり
きれいな音の正しい調子とその明るさを失って
ふたたび回復できないならば
おれはおまへをもうみない
なぜならおれは
すこしぐらいの仕事ができて
そいつに腰をかけているような
そんな多数をいちばんいやにおもふのだ
もしもおまへが 
よくきいてくれ
ひとりのやさしいむすめをおもふようになるそのとき
おまへには無数の影と光りの像があらはれる
おまへはそれを音にするのだ
みんなが町で暮らしたり
一日あそんでいるときに
おまへはひとりであの石原の草を刈る
そのさびしさでおまへは音を作るのだ
多くの侮辱や窮乏の
それらを噛んで歌うのだ  
もしも楽器がなかったら
いいかおまへはおれの弟子なのだ
ちからのかぎり
そらいっぱいの
光りでできたパイプオルガンを弾くがいい

               宮沢賢治

(一部、旧仮名を分かりやすく変えたものです。)

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  • 石田多紀乃&原田愛 Piano Duo

コンサートのご案内

  •  <ピアノ・デュオ・リサイタル>

    ~石田多紀乃・原田愛~
     <長野公演>7月上旬に延期
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    ~江口順子(ソプラノ) 竹内俊介(テノール)
    石田多紀乃 原田愛(PF)~
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