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2018年10月11日 (木)

伝えていくこと

「ピアニストのためのアンサンブル研究」という
大学院の授業を担当している。

ピアノ科の学生さんたちへの授業ではあるが、
楽曲分析はモチロン、

あえて、ピアノテクニカルな方向には殆どアプローチせず
楽器それぞれの音色を、耳で
そして同時に物理的な方向からもアプローチするように心がけている。

今日は、学生さんからの希望でチェロ。

なかなかチェリストと室内楽を組む機会がないときいていたので、
同級生の聖子ちゃんにお願いして、
東京でのお仕事のはざまに来ていただいた。

こちらから題材はいくつか挙げたが、学生さんたちが選んだのは
ベートーヴェンのチェロ・ソナタ第3番。

中期の作品。
いわゆる「運命」や「田園」など、
傑作の真っただ中に書かれた作品だけに
大学院という妙齢の学生さんたちが魅かれたのも分かる気がする。

同時に合わせの在り方にも焦点をあてた。
議論ができる人であってほしいから。

そのためには、作品の裏側まで勉強しつくす必要があるし
共演する仲間の楽器についても興味をもってもらいたい。

楽器各々の知識に関しては、毎回資料を用意して
知識と耳を連動させるようにしているが、
あえて今日はあまり口をださず、
聖子ちゃんには、合わせという観点から対等に
ディスカッションをしていただいた。

面白い。
学生さんたちが、たじろぎながらも
対等に議論しようとしている。
たとえ受け身になっても、容赦なし。

「なんで、そう思うの?」

と返されてしまう。
でも、その経験がとても大事なのだ。

作曲家が遺してくれた作品を音にして表現することに
しっかり「自分にしかできない表現」に責任をもってこそ
その人にしか描けない音楽となって今に伝えていけるのだ。

授業の最後には・・・

Img_20181011_190800

チェロを弾く受講生の姿が。

どうして、このメロディーをこう弾きたいと思ったかを
楽器を弾くことでもしっかり受け止めてほしいという
聖子ちゃんの熱意だ。

第2主題の演奏についての議論を、口での論破ではなく
チェロという楽器の技術的な観点からも経験と共に伝えていきたい。

「弦が短くなると、どんなに弱い音であっても弓圧が必要」

なんてことまで、容赦なく!?体験してもらい
解釈の根拠にまでつなげていく。

あっという間の2時間。

それでも足りない。

Img_20181011_193038

エレベータに乗るまでも、色々な質問の姿があった。

本当は、ドビュッシーのチェロ・ソナタも演奏しようと
用意してたんだけどな…。

でも、そんなことも必要ないくらい
今日もたくさんの経験を学生さん自身が引き寄せてくれました。

ありがとうごうざいました!

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  • 石田多紀乃&原田愛 Piano Duo
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