室内楽はどうする
大学院の授業「アンサンブルピアニストの研究」
例年は、室内楽ピアニストに向き合っている学生さんたちが
共演者と共に演奏することで授業が成り立っている。
が。
室内楽どころか、ステイ・ホームな日々だ。
今日は、予定していた第1回。
昨日ぎりぎりまで、考えに考えてみたが。
う~ん。
既にお目にかかったことがある学生さんとならまだしも、
初めましての方々に対してできる授業って?
音楽分析、楽器それぞれの特徴について…
色々案は浮かぶが、どれも学生さんの要望に添えていない。
昨日は、大フィルのヴィオラ奏者岩井さんから
「デュエット」(←ヤマハの遠隔リアルタイム演奏ソフト)で
ヴィオラ二重奏可能でしたよ!
必要でしたら、実験に使ってください。
今夜は時間取れますよ。
とご連絡もいただき、本当に皆さんの心温かさに救われている。
そんな中迎えた第1回。
授業ではやはり午後一なこともあり、Wi-Fiが不安定な人も居るが、
全員揃って、お話しできた。
簡単な初見視唱ソルフェージュ教材を使って、
室内楽ピアニストの視線の送り方、楽譜の解釈の可能性を
ひとりひとりどれくらいの力があるのかを観察していく。
ひとしきり観察して、提案してみた。
「モーツァルトのヴァイオリン・ソナタはどう?」
まだ、ヴァイオリン付きピアノ・ソナタといわれた時代から
ヴァイオリンとピアノが対等に書かれたソナタ2曲、KV301と304。
来週までにヴァイオリニストと一緒に演奏していると仮定して
録音を送っていただくようお願いした。
同じパッセージを弦楽器が弾くことも多い。
という事はだ。
弦楽器のボーイングやアーティキュレーションなどを
どれだけ想定できるか、想像力はモチロンだけど知識が必要となる。
どれくらい知っているのかなぁ。
学生さんから今期取り組みたいとあらかじめ聴いていた曲は
どれも、大曲ばかり。
ピアニストはただでさえ音が多いので、
室内楽でありながら弾くことに必死になりがちだ。
でも、今だからこそシンプルなもので、ともに一つの音楽を奏でる仲間の事を
じっくり勉強してみる時ではなかろうか。
そう考えた。
授業後、大フィルのセカンド首席の英恵さんにご協力をお願いしたところ
「ぜひ協力させてください!今の状況で学生さんの立場を想像すると
本当に苦しい状態だと思いますし…」
との嬉しいお返事をいただいた。
本当にありがたいです。
学生さんたちの立場を想像してくださるというそのお気持ちこそが
やはり、室内楽にとっても大切なことなので
是非学生さんたちにも出会っていただきたいと。
さぁ、どんな風に来週授業をすすめていこうか。
明日の膨大な授業の準備に必死になりながらも、
心からワクワクしている自分がうれしい。
やはり、音楽を心から好きでたまらない人の香りは
演奏人としては何よりもの栄養なのだ。
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